
センター長(西臼杵広域行政事務組合 病院事業管理者)の「寺尾公成」でございます。この度は、西臼杵医療センターのホームページをご覧いただきありがとうございます。当センターは令和6年4月に発足して1年が経過しました。
この1年間、「機能再編」と「経営統合」といった理念のもと、3つの病院(高千穂・日之影・五ヶ瀬)間でさまざまな情報の共有が図られ、チョットずつではありますが、医療態勢に変化が見えてきたのではないかと実感しています。その一つに、西臼杵における救急医療体制の取り組みが上げられるかと思います。令和6年10月に狼煙を上げ、「神楽プロジェクトチーム(KAGURA)」と銘打って、救急医療に携わる多職種メンバー構成で検討を重ねてきました。従来、3つの病院とも救急告知病院であることから、それぞれで救急医療を運営してきましたが、入院病床の「機能再編」とも相俟って、令和7年4月より、「①原則、救急患者は、高千穂町国保病院に集約する。②ただし、かかりつけ救急患者(疾患)は、かかりつけ医療機関で対応する。」といった共通の指針を定めることにしました。ちなみに過去3年間のデータを分析してみても、すでに大多数の救急患者は高千穂に搬送されており、今後新たな波が高千穂へ押し寄せることは決してありません。明文化することで、センターで働く医療職員の意識醸成を高め、ひいては救急医療の進化に繋がることを期待するものです。加えて、医療機関と消防機関の連携強化を図るべく、同じく令和7年4月より、「西臼杵救急ワークステーション;NEWS」を立ち上げることにしました。NEWSとは、Nishiusuki Emergency Work Stationの頭文字を取って命名しました。西臼杵広域消防から救命救急士を含む3名の救急隊員と救急車1台を高千穂町国保病院に派遣して、医師や看護師から指導を受けながら、医療に関する知識や技術の習得に努める一方、その間に消防本部より救急出動要請事例が発生したら、医師や看護師と協議の上、的確な編隊を組んで現場に出動するといった救急医療体制を取ることで、一人でも多くの救急患者の救命に繋がることを期待しています。NEWSに関する詳細は、本ホームページ内の「病院救命士の部屋」をご覧頂けると幸いです。
さて、高千穂に代表される西臼杵地区は「八百万神々の聖地」と称され、「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」「伊弉冉尊(いざなみのみこと)」「天照大神(あまてらすおおみかみ)」「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」「神武天皇(じんむてんのう)」などなど数多の神々にゆかりある地としてその名を馳せています。そんな八百万神々にあやかり、この地で地域医療の更なる進化が展開されることを願って止みません。
「西臼杵医療センター」へのますますのご指導、ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。
“医療とは、理路整然とした科学と心溢れる情熱の融合である。”
令和7年4月吉日
西臼杵医療センター
センター長 寺尾公成