訪問看護・訪問診療について

当院では訪問看護・訪問診療を行っています。日之影町は南北に細長い渓谷沿いの山村で病院から車で40分以上かかるところにも、高齢の在宅療養中の患者様が住んでおられます。　身体に障害があり外出ができない方や、交通の便が悪く病院を受診することが簡単ではない方も多くおられます。病院から定期的に御自宅へ訪問し病状を確認し療養上の御相談を伺った後、世間話をしたり、時には簡単な身の回りのお手伝いをすることもあります。遠方の御家族に元気な御様子をお伝えすることもしばしばです。1回の外回りで多くの患者様を訪問することは難しく、お一人の患者様を訪問するのに半日かかる事もあります。効率は悪いのですが山村僻地の医療の原点と考え楽しくやっています。

令和４年度に宮崎県国民健康保険地域医療学会にて我々の活動を報告し最優秀演題として認めていただくことができました。

近日中に訪問リハを始める計画も進行中です。

御関心・御興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非御参加いただきたいと思います。

では実際の訪問記録を御覧ください。　

７／１６　肺気腫で在宅酸素療法中　８０歳の1人暮らしの男性

定期での訪問。数日前に側溝の掃除などをしてから調子悪いという。SpO2:９２～９３％、喘鳴あり　呼吸苦あり　肩呼吸　主治医に状態を報告して検査を行うことになった。自宅と本人の携帯電話へ連絡するも繋がらない為、再度訪問。呼吸苦により動けなかったようで、本人より入院の希望あり。その場でCOVID-19抗原陰性を確認し入院を介助した。

７／１８　不安神経症のある８７歳女性

　定期での訪問。頭が重い、食事が美味しくないと訴える。いつもより表情が硬く、声に元気がない。エチゾラムを頓服すると症状軽快するが本日は未服用とのこと。バイタルサインは変わりなし。いつものように世間話などをして談笑。徐々に表情が緩み、声に張りもでてきた。「来てくれるのが一番の薬じゃわ。今日は薬を飲まんでもいいわ。」　７月２４日に電話相談あり。調子が出ずきついと言う。不調が続くときには連絡をくださいと説明していた。入院希望を確認して主治医に報告。入院となった。

７／２２　妻と2人暮らしのレビー小体型認知症の７６歳男性

　一日中興奮状態で行動が激しくなり、もう無理です。疲れました。と妻より相談。

主治医に報告後、連携室を通して他院受診を調整。後日、精神科病院へ入院となった。

７／２３　COPDで在宅酸素療法中の７６歳男性（高千穂町在住）

　訪問入浴のスタッフより　カテーテルのところから出血していますと報告あり訪問。バルーンカテーテル内に血尿があり３日前からとのこと。尿道口に明らかな創なし。高千穂町立病院の泌尿器科がかかりつけだが、本日は休診日で医師不在。当院の主治医に指示を仰ぎ、尿閉予防で多めに水分を摂るようにと指導。カテーテルを下腹部に固定した。

７／２５　外来通院中で今回初めての訪問となる８５歳女性

　外来より情報提供あり。血圧が２００くらいあり独居。事業対象者で週１回デイサービスを計画しているが、利用状況が悪い。

　訪問して本人と面談。自宅では血圧１４０くらい。家事は自分でできている。人の中に行くのがあまり好きではない。と　子供は２人で都城に長女在住。この長女が毎週のように日帰りで帰省して生活を援助している。訪問看護について説明したところ、本人、御家族ともに希望され８月より開始予定となった。血圧測定の手技を確認し、記録方法を説明した。 　　　　　　（看護師　桐木志穂　濱田康宏　花田富多美　橋本寿美子）